1: Egg ★ 2019/04/25(木) 01:26:14.20
[4.24 ACLグループE 鹿島0-1慶南 カシマ]

夢は東京五輪経由のA代表。慶南FC所属の日本人MF邦本宜裕が、視察に訪れた森保一監督の目の前で最高のアピールを果たした。自らの不祥事により日本でのサッカーキャリアを失い、韓国の地で復活を果たした21歳。初めて迎えた日本凱旋のピッチで、アジア王者を沈める決勝ゴールを叩き込んだ。

福岡県北九州市出身の邦本は浦和ユース時代の2016年、当時のペトロヴィッチ監督に才能を認められ、クラブ史上最年少の16歳でトップチームデビュー。飛び級で世代別の日本代表にも選出されるなど、同年代のトップランナーの一人として活躍していた。

しかし、自らの不祥事によって浦和ユースを14年9月に退団。翌年にはアビスパ福岡に加入したが、3年目の17年春に「秩序風紀を著しく乱した」として契約解除に至り、18年に「拾ってくれた」という韓国・慶南に渡ることになった。

1年目の昨季は慣れない場所で慣れない言語に囲まれ、コミュニケーションを取るための英単語を覚えながらプレーしていた。すると、次第にチームメートの信頼を得られるようになり、サッカーへの熱意をだんだんと取り戻していったという。

「『あの時からこう思えていれば……』『自分が情けない』と思った一年だった」。しかし、Kリーグで30試合4得点を記録した邦本の努力の甲斐もあり、クラブは史上初のAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得。日本にも活躍の声が届くようになっていった。「周りの人たちが支えてくれて、今の自分があるのは自分一人の力だけじゃない。感謝の気持ちしかない。自分は頭が良くないし、取り柄はサッカーしかない。サッカーで支えてくれたみんなに恩返しがしたい」。

そんな思いも抱きながら迎えたACLでは、前回王者の鹿島アントラーズとの対戦に恵まれた。「個人的に日本のみんなに今の自分を見て欲しいという思いがあった」。韓国で行われた第3節では2得点に絡む活躍を見せたが、チームは3失点の逆転負け。リベンジの思いを胸に、第4節で初凱旋の舞台となるカシマスタジアムに乗り込んだ。

最大の見せ場は後半18分、攻撃のスイッチを入れるため、主戦場のボランチから左サイドにポジションを移した直後に訪れた。右サイドを駆け上がったMFジョーダン・マッチのクロスに対し、「感覚があった」としてファーサイドにスプリント。華麗なボレーシュートで合わせると、豪快にネットに叩き込んだ。

試合はそのままタイムアップ。ホイッスルが鳴った瞬間、ピッチに突っ伏した邦本はやがて立ち上がり、目に涙を浮かべながらアウェーサポーターに拳を突き上げた。試合後には最優秀選手の会見に臨み、「いつも気持ち込めてプレーしているが、今日は特に気持ちが入っていて、得点という形で今の自分を見せられた」と笑顔を見せた。

「日本で一度サッカーをクビになって、韓国に渡ったが、少しでも自分の変わった姿を見せるためにはサッカーをすることしかなかった。一生懸命頑張っている姿を見せたくてやった。ここ最近、チームも結果が出ていなくて、ACLも未勝利だったので、無失点で終わったので涙が出てきた」。

そしてミックスゾーンの取材では、かつて世代別代表で背負った“日の丸”に関する質問も向けられた。「1試合でたった1点取っただけ。90分間良かったかというとミスもあったし、ダメなところもあった」(邦本)。視察した森保監督へのアピールが成功したとは捉えていない。だが、この1ゴールが大きな節目になったのもたしかだった。

「韓国では新しいスタートを切ることができていたけど、ACLの機会がなければ日本でスタートを切ることができなかった。チームで頑張って出場権を獲得して、ここに帰ってきたことで良いスタートを切ることができた」。

失った時間を取り戻すにつれて、再び夢を見ることもできるようになった。「いろんな目標があるのでチームではKリーグから勝ち続けること。ACLではトーナメントに行くこと。そして個人的には、アンダー世代、五輪代表に1回でいいから呼ばれること。そこで結果を出したい。いつかまた、日本でやりたい思いがあります」。邦本宜裕、21歳。サッカー人生はこれからだ。

4/24(水) 23:16配信 ゲキサカ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190424-43466306-gekisaka-socc

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