1: 名無し@サカサカ10 2019/01/11(金) 07:36:06.18
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 中田英寿 福島を旅する

来ました、福島。

築40年の山荘から、温泉を備えた瀟洒(しょうしゃ)なホテルへ——。森と湖に彩られた
裏磐梯(うらばんだい)の一角に、息をひそめるようにたたずむ一軒の宿がある。
フィンランド語で「波」を意味するアアルトと名付けられたホテルは、
福島の自然と北欧の風が出会う場所。心尽くしのもてなしで、多くの人を魅了し続けている。

「空間演出にしてもサービスにしても、肩に力が入っていない。すべてのバランスが
ちょうどいいんですよね」。中田さんの言葉を受けて「うれしいなぁ。最高の褒め言葉です」
と笑顔を見せる宗像社長

福島の自然と北欧が調和する高原のホテルへ
全国を旅しながら見つけた日本の“もの”や“わざ”。そのえりすぐりを集めた自著
「に・ほ・ん・も・の」で、中田英寿さんは裏磐梯にあるホテリ・アアルトを、
こんな書き出しで紹介している。“何かが特別秀でているわけではない。それでも非常に居心地のいい宿がある——”。

森に溶け込むように建つ小さなホテル。三角屋根の山荘だった面影を残す

1年間の3分の2は地方や海外に赴く中田さんにとって、ホテルに宿泊することは特別なことではなく、
日常のひとコマだ。より良い環境、心地良い空間を求めて、これまで何百という宿に滞在してきたが、
なかでもこの宿を、好きな場所のひとつと語る。

「人の多い場所が得意ではないので、食事やお風呂も個室がある宿泊施設を選ぶことが多いのですが、
ここでは、ダイニングで食事する時間も、ストレスなく過ごせます」

五色沼(ごしきぬま)をはじめ、数え切れないほどの湖沼が点在する深い森の中に、
ホテリ・アアルトがオープンしたのは今から9年前のことだ。

空き時間には、中庭からの遊歩道をたどって、敷地内にある2つの沼を散策するもよし

「元々ここは、ある企業の保養所として使用されていた築40年の山荘でした」

オーナーであり、福島県に本社を置く、八光建設(はっこうけんせつ)の宗像剛(むなかた・たけし)社長が、ホテル誕生の背景を明かす。

「弊社はその保養所の管理を任されていたのですが、2007年の3月に閉鎖されることになってしまって。
しかしこれほど素晴らしい環境はそうはありません。失うには惜しい。それなら、
自分たちの思いを形にしてみようと考えました」

全13室ある客室は、部屋のしつらえも、窓に切り取られる風景も、それぞれ趣が異なり個性的。
選ぶ楽しさ、繰り返し訪れたくなる魅力にあふれている

それから、2年をかけて建物を改修。周囲の景観との調和を図るとともに、環境に配慮し、
既存の躯体(くたい)を極力生かすことを決めた。使用する木材は地元産に限定。
設計は3人の建築家に依頼し、東京藝術大学名誉教授の益子義弘(ますこ・よしひろ)さんを中心に、
チームを組んで進めてもらったと振り返る。

木のぬくもりあふれる空間では、会津木綿などの伝統工芸と、北欧家具がゆるりと調和している。

会津地方の豊かな食材が並ぶコース料理もまた、ここに滞在する楽しみのひとつ。
旬を大切に、素材の味を生かして、彩り良く。一皿ひと皿に、もてなしの心が感じられる

「保養所時代とは間取りは大きく変わりましたが、建設当初のまま生かされています」

訪れる人に肩の力を抜いて、心地良い時間を過ごしてもらえたらと語る宗像社長。食事はもちろん、
アルコールを含むドリンク類が宿泊料金に含まれているのも、滞在中、
気兼ねなく楽しんでほしいという思いからだ。
https://www.asahi.com/and_travel/articles/SDI2018121868461.html?iref=and_infeed01

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