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1: 2018/11/10(土) 00:42:54.67 ID:CAP_USER9
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 人気コラム「英国人の視点」などを執筆するショーン・キャロル氏。過去5年間にわたり発表してきたコラムやレポートを厳選してまとめた1冊『英国人から見た日本サッカー “摩訶不思議”ニッポンの蹴球文化』が好評発売中。そこで、著者であるショーン氏に改めて“日本サッカーのあれこれ”についてインタビューを敢行。その第1回となるテーマは、「ここが変わってるね、日本人サッカー論」。(文:三谷悠)

●好きなのはチーム? 選手?

――ショーンさんの著書『英国人から見た日本サッカー “摩訶不思議”ニッポンの蹴球文化』でもいくつか指摘されていますが、サッカーの母国イングランド人の目から見ると、少し“奇妙”なサッカー文化が日本にはあるようです。

「イングランドには特定の選手のファンという人はあまりいません。たとえば、デイビッド・ベッカムが他のチームのサポーターから攻撃されたら、マンチェスター・ユナイテッドのファンは彼を守るけど、彼個人のファンという人はほとんどいない。もちろんカッコいいから好きっていう人や、その選手の性格やキャラクターが好きでファンになる人もいるけど、全体的には相当少ない。

この本の中で、セレッソ大阪の柿谷曜一朗がFCバーゼルに移籍したときの退団セレモニー(2014年)を批判的に書きました。イングランドでは選手に対して感謝の気持ちはあっても、ここまでエモーショナルなイベントは行いません。そこは変だと思ったし、本当にビックリしました。

プレミアリーグは世界で一番人気のあるリーグだから、たとえばニューカッスルからレアル・マドリーに移籍する選手がいたとすれば、どちらかと言うとファンは怒ります。もちろんレアル・マドリーのほうが格上だけど、ファンにとってはニューカッスルが一番大事なチームだし、「なぜ移籍するの?」という気持ちになる。

マンチェスター・ユナイテッドでもベッカムがレアル・マドリーに移籍した際、サポーターは『ありがとう。頑張ってね』で終わりです。もちろん優れた選手が引退するときには、感動的なセレモニーをすることもあります。ただシーズンが変わるときに選手が移籍するのはサッカーではよくあること。日本とイングランドで、そこは大きな違いですね」

11/9(金) 10:20配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181109-00010001-footballc-socc 
●イングランドでは少しガッカリされているルーニー

――日本とイングランドでは、スター選手の扱いにも違いがあるようです。イングランドでは、「選手はピッチ上のパフォーマンスがすべて」という明確な線引き、価値観があり、ショーンさんは“スターはいつまでもスターで居続けられる日本”に違和感を覚えていますね。

「イングランドはピッチの中がすべてで、スターになればなるほど、メディアもサポーターも見る目が厳しくなります。パフォーマンスがよければ何も言われないけど、パフォーマンスが落ちたら、監督もメディアもサポーターもすごくシビアに見ます。

日本は一度スターになると引退するまでセーフ。プレーが悪くても、サポーターは最後まで応援する。それは良いところでもあるけど、サッカーという意味では良くない。たとえば、FC東京の永井(謙佑)は大学時代からすごく期待された選手です。ロンドン五輪でもゴールを決めたし、現在チームのレギュラーですが、私としてはもっと期待している分、十分に成長したとは思っていません。

すべての選手に成長のリミットはあるから、仕方のないことかもしれない。でも、彼くらいのポテンシャルがあるなら、イングランドでは『もっとやらないといけない』っていうプレッシャーを周りがかけます。

たとえばウェイン・ルーニーは16歳のときにエバートンでデビューして、マンチェスター・ユナイテッドでもイングランド代表でもトップスコアラーになりましたが、正直、イングランドでは少しガッカリされている選手なんです。いい選手なのは間違いありません。しかし16歳のときのポテンシャルがあれば、リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドくらいの選手になれたはずなのに、彼はタバコを吸ったり、オフシーズンに体重を増やし過ぎたり、サッカーに対して真面目ではありませんでした。

だからエバートンに戻ったときも、マンチェスター・ユナイテッドのサポーターは感謝したけど、移籍する前の2~3シーズンのパフォーマンスが良くなかったから、それほど気に留めなかった。イングランドではピッチの中がすべてですから」
●日本サッカーの育成の問題=日本文化の問題

――続いてのテーマは「育成」。日本サッカー界の長年の課題ですが、ショーンさんはその原因を日本の教育文化そのものに求めています。

「イングランドでは、子どものときはあまりトレーニングをしません。パス、ドリブル、コントロールと基本的な技術を少しするだけで、あとはほとんどが5対5や6対6のゲーム。コーチは、子どもが楽しめるようにしてくれるし、ほとんど何も言わない。プロのチームの下部組織はまた別だけど、街の一般的なクラブはだいたいそんな感じです。

日本は少し教えすぎではないかと思います。少し動いたら『ピッ』って笛を吹いて、『ああ、しなさい、こうしなさい』って。だからずっと『言われた通りにしなさい』と指示されてきた選手が、20歳になったときに急に『自由にプレーしなさい』と言われても、選手は『どういう意味?』ってなっちゃいますよね。

それはサッカーに限りません。日本の子どもたちは学校以外にもいろんな習い事があって、そして、それから宿題がある。いつも疲れているようです。友達とはいつ遊ぶの? 本当に残念です。もちろん、学校や勉強は大事です。だけど友達と遊んだり、リラックスする時間は本当に大事。日本がそういう文化だから、サッカーもそうなっているんだと思います。

日本サッカーの育成を変えるには、そういう文化から変えていかないといけない。学校や塾は厳しいのに、サッカーだけは自由にどうぞと言われても、子どもたちは対応できませんよ」

(文:三谷悠)


引用元:http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1541778174

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