1:Egg ★:2018/06/14(木) 07:59:29.39 ID:CAP_USER9.net
サッカーW杯ロシア大会が14日に開幕する。日本代表は12日、ロシアW杯前最後の強化試合をパラグアイと対戦し、4―2で勝利した。西野朗監督(63)就任後3試合目の初白星。スポーツ報知に日本戦全試合の特別評論を寄稿する元日本代表監督のイビチャ・オシム氏(77)がパラグアイ戦を分析し、西野ジャパンの「パスサッカー」に可能性を見いだした。

西野ジャパンはパラグアイ戦で大きな進化を遂げた。

前半はためらいがちで、成り行きを見守る様子があり、運悪く失点を喫した。展開がそうなるとちょっと難しい。特にワールドカップでは先制を許すと致命的である。だが、後半は攻撃的になり、得点も決めたうえにいくつかの決定機を作った。これまでよりずっと危険でアグレッシブ(積極的)であることを知らしめた。

パラグアイのようなチームには、のど元にナイフを突きつけるような戦い方をするべきではない。よく頭を働かせて、相手と同じように慎重になるべきだ。彼らは待ち構えてカウンターの機会をうかがっている。それに対処しながら、同時に自分たちが危険な存在であることを示す。待っているだけではチャンスは訪れず、試合に勝てないからだ。そこのバランスが難しい。

ゴールはいずれも素晴らしかった。とりわけ1点目は素晴らしい位置取りから、乾がループ気味のシュートをゴールの隅に放ち、キーパーは触ることができなかった。日本が実践するチキタカ(バルセロナ流のショートパススタイル)は、実は私はもう時代遅れだと思っていた。バヒド(ハリルホジッチ前監督)の実践する縦に速いスタイルが、今は世界の主流であるからだ。

だが、ワールドカップでは、それが本当に過去のものかどうかが分かる。そして日本に関しては、とても合ったスタイルであるといえる。相手も守りにくく、このやり方で日本は機動性に富んだアグレッシブなプレーができる。

課題としては、もっと効率をあげること。パスやコンビネーションはより確実にすることができるし、ゴール前の決定力もまだ足りない。本番までの1週間の練習で上げていくしかない。

また守備も、細かいミスが目立った。とはいえ西野監督はどう守ったらいいかよく分かっているはずで、これも改善されるだろう。

いずれにせよパラグアイ戦は、日本がこれからもっと良くなっていくことを示した試合だった。コロンビアはじめ対戦相手も日本を十分に警戒するだろう。

選手にとっても自信の回復になる試合だった。しかし、あまり先に行き過ぎてはいけない。自信を持ち、勇気が得られたとしても、相手を軽視すべきではない。初戦のコロンビアは厄介な相手だ。経験豊富で抜け目のない選手たちが、技術と個の力を発揮する成熟したチームで、FIFAランキングの上位に常に位置するのは決して偶然ではない。

日本は勝ち点1でも悪くはないが、もしも勝てば大きな風が吹く。それにはパラグアイ戦のように、シリアス(真剣)にプレーして、よく走る。全員が勇気を持って攻め、相手のカウンターを警戒しながら時に抜け目のなさも発揮する。

岡崎は、以前に比べ機動力が少し落ち、ゴール前のクオリティーも欠いていた。しかしコンディションは上向きのようで、彼が良くなれは周囲もプレーしやすくなる。

香川も同様で、本来はもっとずっと危険な選手でチームに与える影響も大きい。2人の調子が上がれば、乾が何をしてくるか相手に予想がつかないだけに、3人の絡み合いは攻撃の基軸として面白いものになる。

パラグアイ戦では出番のなかった本田も、難しい状況では頼りになる選手だ。日本が彼を必要とする場面は出てくるだろう。

勇気を持つのも、自分に自信を持つのも、すべては頭の中で生じることだ。頭の中がすべてと言ってもいい。そして相手も頭の中で同じことを考えている。だからこそそこで負けることなく、強い気持ちをもって戦いに臨んでほしい。(元日本代表監督)

スポーツ報知 6/14(木) 6:22配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180614-00000000-sph-socc

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