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1: 2018/04/19(木) 06:41:15.70 ID:CAP_USER9
◆田嶋会長の発言をもとに、日本サッカーが目指すべきスタイルを考察
 
バヒド・ハリルホジッチ“前”監督が来日して記者会見をするらしい。報道を見る限り、契約終了の書類にサインしていないようなので法的には現在も監督である可能性もあるが、
解任された憤りをぶちまけるつもりなのだろうか。とはいえ、ハリルホジッチにも本当の解任理由は分かっていないと思う。

日本サッカー協会の田嶋幸三会長の説明では「求心力の低下」が主な要因だが、これがそれほど決定的だったという感じがしない。
何人かの選手のコメントなどを拾っても圧倒的多数がそっぽを向いていたとは思えず、西野朗“元”技術委員長もそこまで危機的ではなかったと話しているのだ。

もしかしたら、もともとハリルホジッチのサッカーが嫌いで解任の機会を窺っていたのかもしれない。
ただ、協会は「こういうサッカーをしてくれ」というリクエストはしていなかったはずで、それを解任理由にはできなかったということかもしれない。

しかし、もしそうであるならば協会が監督選定の段階で「日本のサッカーはこういう強化をしているので、それに沿って指導してほしい」と言っていないことに、そもそもの問題があったわけだ。
今後はそこをしっかりしようという流れになるべきだが、技術委員長を後任監督に据えているところを見ると、これも違うのかもしれない。よく分からないことだらけだ。

ともあれ、協会の方針が事実上「ない」のは、いずれにしてもなんとかした方がいいのではないか。
日本サッカーのあるべき姿については、田嶋会長から「パスをつなぐサッカー」という雲をつかむような説明があっただけだ。
それでも何もないよりはマシなので、これを取っかかりに、技術委員会はどのような方針を立てれば良かったのかを考えてみたい。


◆強豪国相手にもポゼッション率70%を取れなければ…
 

日本が「パスをつなぎたい」のだけは分かった。では、そこからどんなサッカーが可能なのか。同時にワールドカップ(W杯)でベスト8以上という目標を立ててみる。そこから、ある程度の見通しは描けるかもしれない。

先にベスト8の条件を考えてみよう。2010年南アフリカW杯は、日本がベスト8進出に限りなく近づいた大会だった。PK戦の末に敗れた相手はパラグアイだ。
しかし、決勝トーナメント1回戦で対戦するのはパラグアイとは限らない。むしろドイツ、ブラジル、スペイン、アルゼンチン、フランス、オランダ、イタリア、イングランドあたりの強豪国と当たる可能性の方が高い。
となると、ベスト8は優勝候補レベルの相手に勝つサッカーをしなければならないということになるわけだ。

パスをつなぐサッカーをメインにするなら、強豪国相手でもボールポゼッションで70%以上は取れないと勝ち目はまずない。
打ち合いになったら、強豪国に決定力で打ち負かされる可能性が高いからだ。ポゼッションを70%ぐらい取れば、相手のチャンスは必然的に減るので望みは出てくる。

もちろんボール支配率が得点に直結するわけではなく、引いている相手の守備を崩すのはカウンターアタックより難しい。70%あっても目指すのは1点、良くて2点と考えるのが現実的。そして相手のカウンターを防ぐ守備も必要になる。
2014年ブラジルW杯での日本は、けっこうパスはつなげていた。ただ、そこから先で得点に結びつける力が足りなかった。では、どうしたら得点を取れるのか。ここが最大のポイントになるだろう。

4/18(水) 21:34配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180418-00010026-soccermzw-socc

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◆ボールを持ったまま、いかに試合を“殺すか”
 

方法はさまざまだが、答えはほぼ決まっている。ペナルティーエリア内、ゴールエリアの幅からシュートを打つこと。その地域からのシュートと、その他の地域では得点になる確率が全然違うからだ。
逆に言えば、そこからシュートを打てれば決定力不足もある程度解消できる。中央からかサイドか、上からか下からか、アプローチはいろいろあっても目指す場所は決まっているわけだ。
そこへ人とボールを送り込むディテールを、詰めていくことになる。

もう一つの重要なポイントは、いかに失点を防ぐか。1点取ったら自陣に引いてスペースを与えないというのが定石だが、70%ポゼッションを取る攻撃的なチームに守備力まで期待するのは無理だろう。
そうなるとボールを持ったまま、いかに試合を“殺すか”だ。ボールの失い方、失った後のプレッシング、プレッシングを外された時のリスクマネージメント、
それでもゴール前へ持ち込まれた時の守備対応、GKのレベルアップ、ハイクロス対策を図らなければならない。

「パスをつなぐのが日本サッカー」と定義するなら、そこから全体のゲームプランを想定するだけでもベスト8への必要条件は見えてくるはず。あとは障害になっているものを一つずつクリアしていく。
まず前提となる「強豪国にポゼッション70%以上、ほとんどボールを渡さない」というのは途方もない目標に思えるかもしれない。しかし、それを否定してしまったら出口はなくなる。

パスをつないで強豪国に勝ちたければ、それしかない。スペインは現実的にできているわけで、彼らがことごとく天才選手ばかりというわけでもない。
日本も14年ブラジルW杯時点で60%ぐらいは現実味のある数字だったのだから、70%が不可能ということもないだろう。


◆大事なことは技術委員会がまずは方針を決めること


パスをつなぐことを優先すれば、パスをつなげない選手は当然メンバーには入れられない。パスワーク以外にワールドクラスの武器を持っていても脱落する。
サッカーに正解はないのに、それ以外の考え方を切り捨てることになる。ただ、それを決めないと何も始まらないのだ。

会長は「パスをつなぐサッカー」と言ったが、「堅守速攻のサッカー」でもなんでも構わない。技術委員会は専門家の集団なのだから、
これが日本のサッカーだと結論を出したら自信を持って実行すればいいのだ。10年やってダメだと分かったら過ちを認めて、違う考えのグループにバトンを渡せばいいだけの話。まず決めること。

イングランドは1960年代に決め方を誤り、回復までに多大な時間をロスした。サッカーの進歩への考察を欠き、本質も見誤っていた。それでも何も決めようとしないよりはマシだったと思う。
サッカーの母国のように20年間も迷走するのは長すぎるとしても、トライ&エラーさえ恐れていては何年経っても同じ場所でうろうろしているだけになる。

西部謙司●文 text by Kenji Nishibe

引用元:http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1524087675/-100

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