15歳、久保建英はホンモノか?バルサで磨いたセンスが足を引っ張ることも
1:Egg ★@\(^o^)/ :2017/05/10(水) 12:09:16.77
飛び級でU―20日本代表に選ばれている15歳、久保建英(FC東京)はどんな成長を遂げるのだろうか?
ルヴァンカップでは、FC東京でJ1公式戦デビューを果たした。2万人近い観客は、ルヴァンカップでは同節最多。各テレビ局のスポーツニュースでも、大きく取り上げられた。
久保には、それだけの求心力があると言うことだろう。それはスター性に等しい。
しかし、彼がどんな成長曲線を描くか、は分からない。意地悪な見方をすれば、「20歳が頂点の早熟選手」という可能性もある。十代で一瞬の眩しい輝きを放ち、消えていった選手は大勢いるのだ。
では、彼はホンモノなのか?
◆ライカールトがメッシに贈った言葉は久保にも共通する
2004年10月、リオネル・メッシが当時17歳でリーガエスパニョーラ・デビューを飾っている。バルセロナ、オリンピックスタジアム。バルセロナダービーと言われる、エスパニョールとの一戦だった。
筆者は、その瞬間を目にする幸運に恵まれた。
日本であったようなフィーバーはそこにはなかった。第二次世界大戦後ではクラブ最年少デビューになったメッシだが、番記者たちにとってはニュースの一つも、年齢にに大した意味を与えていない。ましてや、メッシはその前年に3部でデビューも、小さなニュースとししか扱われなかった。そういう環境の中で、メッシ自身も淡々と振る舞っていた。日本のようにJ3(Jリーグ3部)でのデビュー戦が、大きく扱われることはあり得ない。
「レオ(メッシ)の練習の取り組み方は、デビューに値するものがあった。チャンスを与えた、のではなく、彼自身がつかみ取った、と言える。ただ、レオのキャリアは始まったばかり。(トップだけでなく、Bチームで試合に出ながら)再び、練習でピッチに立つに値する選手、と証明する必要がある」
メッシを抜擢したフランク・ライカールト監督は試合後、落ち着いた様子で語っている。
この言葉は、久保にもそのまま当てはまる言葉だろう。
久保はまず、J3を主戦場にFC東京U―23の選手として研鑽を積む必要がある。セレッソ大阪U―23でのJ3最年少得点は少なからず、ルヴァンカップデビューの呼び水になったのだろう。プロの舞台は与えられるものではない。
では、久保はメッシのようにその機会を勝ち取っていけるのか。
◆バルサ出身であることの弊害
5月6日、久保はJ3,FC琉球戦に先発出場している。ネイサン・バーンズに鮮やかなスルーパスを通し、際どいFKを蹴り、やはり技量は申し分ない。マルセイユルーレットから抜けだし、ディフェンダーを振り切りながら敵陣にボールを持ち込むなど、1シーンを切り取ったら、とんでもない15歳だった。
しかし東京U―23は0-3で大敗。久保もチームプレーヤーとしての貢献は乏しかった。
前半18分にチームが1人退場者を出し、数的不利になった事情はある。ボールがほとんどつながらず、押し込まれ続けた。久保にまでボールが供給される機会は乏しかった。J1と比べ、技術的に劣るJ3では必然的にフィジカルプレー主体になるわけだが、そこで久保はまだ非力さが出てしまう。"大人"を相手にした15歳は、後手を踏むのだ。
これは年齢差もあるが、それだけの話しではないだろう。ルヴァンカップでも、その兆候は出ていた。受け身的なプレーで、ビルドアップでしばしばノッキングするチームで、久保の活躍は単発的だった。
「バルサの下部組織出身選手は他のチームでは苦労する」
実はスペインで、それは一つの定石になっている。
フィジカルコンタクトが多く、ボールスキルの低い戦いに、バルサの選手たちは慣れていない。彼らは"ボールありき"でスカウトされ、育成され、能動的にボールを動かすプレーを軸に置いている。クリアボールが行き交い、ブロックを作って守り、ハイプレスで追い続ける環境で、十全に力を出せない。その結果、バルサの選手はトップチームに昇格できない場合、苦戦している。
「なぜ、そこでボールをつなげないのか?」
バルサ出身者たちは味方へのストレスを抱えて悩み、バランスを崩す。バルサは世界でも特殊なポゼッションを追求し、一つのオートマチズムがあるだけに、その弊害と言えるか。
もっとも、だからこそバルサではメッシ、イニエスタ、ブスケッツのように超人的選手が生まれるのだ。
つづく
小宮良之 | スポーツライター5/10(水) 11:00
https://news.yahoo.co.jp/byline/komiyayoshiyuki/20170510-00070734/